暑くていら立つ夏を迎える平壌(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.07.26 15:50
今月7日、米国と韓国は高高度ミサイル防衛(THAAD)体系を配備すると発表した。朴槿恵(パク・クネ)大統領が説明したように今回の決定は軍事的な理由からだ。しかし、もう北朝鮮との対話に興味がなく、さらに強力な圧力が必要だという米国の政治的な意図も根底にある。米国は北朝鮮に食糧支援をする代わりに核活動を中断するという2012年の合意がうやむやになった後、新しい対話に出にくい立場だ。特に北朝鮮が誤った行動を続ける限り、オバマ米大統領の残りの任期中に行動をとるのはほとんど不可能だ。その代わり今月6日に米財務省が人権じゅうりん容疑で金正恩(キム・ジョンウン)委員長を制裁対象に指定するなど、さらに広範囲かつ厳格な制裁に動いている。したがってTHAAD配備は北朝鮮に対する制裁強化の一部と解釈される。
もちろん北朝鮮がTHAAD配備決定に激しい反応を見せているのは予測した通りだ。金正恩委員長を制裁対象に選定したことに対しても「宣戦布告」という反応を見せた。この表現は大変なことのように聞こえるが、実際、北朝鮮は1997年から少なくとも200回ほどこうした表現を使っている。したがって本当に攻撃が迫ったという意味でなくとも、北朝鮮が嫌がっているという意味として通じる。北朝鮮の最初の応答は今月9日の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射だった。翌日、北朝鮮は「(唯一の朝米対話通路である)ニューヨークチャンネルを遮断する最初の段階になるだろう」と発表した。14日にはTHAAD配備地域に核兵器を使用することも可能だと脅迫し、19日には東海(トンヘ、日本名・日本海)に弾道ミサイル3発を発射した。